中古【フラット35】申請時の注意点(戸建て住宅)
フラット35の適合証明書発行手続きに関し、初めてご申請される個人の方、不動産会社の担当者で前に申請したけど時間が経って忘れてしまった方等から相談や問い合わせをいただきます。
「フラットの申し込みをしたいのですがどうしたらいいですか?」
これが当社で一番よくいただくご相談内容です。
実は中古フラットの「申し込み」は難しくありません。
しかし、「申し込みの完了」=「適合証明書の発行」と誤解されている方も多くおられます。
(中古フラット適合証明業務の流れ)
「申請」 → 「物件検査」 → 「適合証明書の交付」
申請される住宅は必ず物件検査を実施します。
その時、住宅金融支援機構の技術基準に適合しなければ「適合証明書」を交付できません。
そこで、申請手続きを依頼される前に、必ず確認していただきたい内容をまとめました。
申請前にセルフチェックする事で申請後の手続きがスムーズになります。
難しい内容ではありませんので、是非利用してください。
戸建て住宅(木造)の申請で注意する点
書類の準備
まず最初に申請に必要な書類を準備する必要があります。
入手が困難な書類はありませんので必ず準備をお願いします。
特に土地・建物の登記事項証明書の写しについては法務局の押印があるものが必要になります。
インターネットからプリントアウトされた登記事項証明書を添付される方がいますが、受付ができずに手続きが遅れる為ご注意ください。
申請に必要な書類
重要度 | 書 類 | |
1 | 〇 | 中古住宅適合証明申請書(1号書式・2号書式)※フラット35HPよりダウンロード可 |
2 | 〇 | 土地・建物の登記事項証明書の写し(法務局の押印のあるもの) ※インターネットからプリントアウトしたものは不可 |
3 | 〇 | 間取り図(平面図又は販売パンフレット、不動産広告の間取り図でも可) |
4 | △ | 建築確認日が確認できる書類(台帳記載事項証明書等) |
5 | △ | 付近見取り図(対象住宅の場所がわかる地図) |
〇:必須 △:無くても可
上記の書類の他、建築確認日が昭和51年5月31日以前の場合は「耐震評価基準」の判定を行う為、設計図書のご提出が必要となります。
点検口設置状況の確認
劣化状況及び耐久性基準の確認を行う為に床下点検口及び天井点検口の設置がされていることが必要になります。
※床下換気孔より床下空間の状態が確認できる場合は床下点検口の設置の設置は不要です。
※天井点検口は独立した小屋裏ごとに設置が必要となります。(下屋がある等)
※ルーフバルコニーは屋根と判断される為、点検口の設置が必要となります。
床下点検口(床下換気口) | 土台・床組みの腐朽・蟻害の確認 |
天井点検口 | 小屋裏の腐朽・蟻害の確認 |
耐久性基準の確認
「主要構造部を耐火構造」又は「準耐火構造(省令準耐火構造の住宅を含む)」である事を確認できない住宅は「耐久性の基準」を確認する必要があります。
在来木造、枠組壁工法、木質系プレハブ工法、丸太組構法の場合、特段の提出書類は必要ありませんが、耐久性基準(小屋裏換気措置、床下換気・防湿措置、防腐・防蟻措置、浴室等の防水措置)について現地確認により検査します。
検査項目 | 確認方法 |
基礎 | 地面から基礎の上端または地面から土台下端までの高さは40cm以上。(築10年超の住宅は30cm以上) |
基礎・外壁の状態 | (1)外壁、基礎及び床下に蟻害が認められない (2)外壁に浮き、膨らみ、変色、カビ、藻のうち複数の事象が認められないこと (3)外壁のうち軸組等が存する部分をたたいても、軸組等に発生している腐朽等及び蟻害による空洞音がしないこと (4)内壁に、浮き、膨らみ、変色、カビ、漏水、結露の跡が認められないこと |
床下換気・防湿措置 | (1)床下換気孔 以下のいずれかであること ア 外壁の床下部分に、壁の長さ4m以下ごとに換気孔が設けられている ※築10年超の住宅は5m以下ごと イ 基礎パッキンにより換気のための隙間が設けられている ウ 基礎断熱工法 (2)床下空間に腐朽等および蟻害が認められないこと (3)床下部分の木材に腐朽等および蟻害が認められないこと。また、木材が湿潤状態でないこと |
土台 | 土台に接する外壁の下端には水切りが設けられていること(平成13年以降に建設された住宅に限る) |
浴室及び脱衣室 | (1)浴室または脱衣室に接する隣の部屋の内壁、天井及び床の木部の部分に腐朽等及び蟻害が認められないこと (2)ユニットバスで天井裏に通じる点検口等がある場合は、点検口等から天井裏の木材に腐朽等及び蟻害が認められないこと |
小屋裏換気 | (1)独立した小屋裏ごとに、ア~エのいずれかの換気上有効な位置に換気孔が設置されていること。 ア 小屋裏の壁(対象面)に2か所以上 イ 軒裏に2か所以上 ウ 軒裏に1か所以上および小屋裏の壁に1か所以上 エ 軒裏に1か所以上および小屋裏の頂部に1か所以上 (2)小屋裏に通じる点検口から目視または触診によって小屋裏部分の木材に普及等および蟻害が認められないこと |
耐震性の確認
建築確認日が昭和56年5月31日(建築確認日が確認できない場合にあっては、新築年月日(表示登記における新築時期)が昭和58年3月31日)以前の住宅は、耐震評価基準等に適合する必要があります。詳しくはお問い合わせください。
戸建て住宅(鉄骨造)の申請で注意する点
書類の準備
用意する書類は戸建て住宅(木造)と変わりませんが、鉄骨造の住宅は構造が「準耐火構造」以上であることを確認する為の書類が追加で必要になります。
構造区分を確認する為の方法
確認書類 | 構造区分の確認方法 |
①火災保険証券 | 火災保険証券の構造級別区分により確認してください。 例)A構造・B構造、1級、2級等 ※「T構造」と記載がある証券は鉄骨造である場合も含まれる事から準耐火構造以上であることの判断ができず、受付できません。 |
②中古住宅構造確認書 | ハウスメーカーが所定の構造(準耐火構造等)であることを確認した書類(中古住宅構造確認書)の提出によることができる場合があります。 中古住宅構造確認書は住宅金融支援機構の様式です。 ※取り扱い可能な住宅メーカーについては住宅金融支援機構のHPをご確認ください。 |
③設計図書等 | 確認済証、検査済証、耐火リスト等耐火構造とされている事が確認できる建築時の設計図書 ※上記①、②よりも資料収集が難しく、内容確認に時間もかかります。 |
点検口設置状況の確認
劣化状況及び耐久性基準の確認を行う為に床下点検口及び天井点検口の設置がされていることが必要になります。
※床下換気孔より床下空間の状態が確認できる場合は床下点検口の設置は不要です。
※天井点検口は独立した小屋裏ごとに設置が必要となります。(下屋がある等)
※ルーフバルコニーは屋根と判断される為、点検口の設置が必要となります。
耐震性の確認
建築確認日が昭和56年5月31日(建築確認日が確認できない場合にあっては、新築年月日(表示登記における新築時期)が昭和58年3月31日)以前の住宅は、耐震評価基準等に適合する必要があります。詳しくはお問い合わせください。
【フラット35】S ( 金利Bプラン) の技術基準
中古フラットでは【フラット35】S ( 金利Bプラン)の申請が非常に多いですが、物件検査時に不適合になる場合も多い為、【フラット35】S ( 金利Bプラン)の申請に関し下記の内容に注意してお申し込みください。
バリアフリー性< 手すり設置>※最も多いご申請タイプ
浴室および住宅内の階段に手すりの設置が必要です
注1)浴室の手すりは1箇所以上、階段の手すりは少なくとも片側に設置が必要です。
注2)手すりを設置する箇所および手すりの形状について定めはありません。
注3)階段の手すりは住戸内に階段が無い場合は不要です。
お役に立てましたでしょうか?
お申込み書類等のダウンロードはこちらをご覧ください。
2019.3.29公開
2020.9.24更新