ホームインスペクションと第三者性
ホームインスペクションと第三者性
ホームインスペクションを実施する者はどのような建築士や調査会社が理想でしょうか。
ホームインスペクションを行う建築士や調査会社は常に中立性を重視する必要があります。
例えば物件売買時にホームインスペクションを実施した場合、「買主」「売主」のどちらかが有利になるような報告をおこなう調査では中立性を保てません。
一般的に仲介会社の紹介で売主がインスペクションを実施する場合は、買主への信用を得られないのではないかと懸念される声をよく聞きます。
特にインスペクターが売主や不動産会社の知り合いの建築士というならなおさらです。
一方で買主からの依頼を受けて、「買主の立場に立った」インスペクションを実施する調査会社も多く存在します。住宅の状態を知りたいのはお住まいになられる買主だからです。
当然、買主側のインスペクションは信頼されやすく、売主側のインスペクションは信頼され難い状況となります。
しかし、買主側のインスペクションが常に正しい結果を報告しているとは限りません。
何故なら買主から依頼を受けたインスペクターは「買主の味方」として判断する可能性があるからです。
もちろん「売主の立場に立った」インスペクションも同様です。
このように、それぞれが依頼するホームインスペクションは常に利益相反行為となります。
本来、ホームインスペクターは「公正・中立」の立場で建物状況調査を実施しなければなりません。また、調査結果は良い所も悪い所も含めて、正しく依頼者へ報告する義務が生じます。
誰が依頼しても公平な調査を実施できる会社こそがこれから求められるインスペクションの姿なのです。